できもの(おでき)とは
できものとは、皮膚にできる腫瘍やしこりのことです。身体のあらゆる部位にでき、色や硬さは疾患によって異なります。良性・悪性の腫瘍はもちろん、イボやニキビなども、「できもの」の一種です。
できもの(おでき)
の色や種類
粉瘤(アテローム)
粉瘤(ふんりゅう)とは、表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)とも呼ばれる良性腫瘍です。皮膚の下に袋状の組織が生じ、そこに皮脂や角質といった老廃物が溜まったものを指します。
初期はほとんど症状がなく、ニキビやしこりにも見えてしまいます。根治させるには手術を行う必要があり、ご自身で潰してしまうと、炎症が起こりやすくなります。
色や特徴
初期の小さな粉瘤は、白色~肌色をしていて、痛みや発赤などの症状が見られません。悪化して大きくなると、黄色や黒色、青色などに変わり、細菌などに感染すると痛みや発赤、腫脹の症状が現れるようになります。
脂肪腫(リポーマ)
最も多く見られる皮下の良性腫瘍です。
身体のあらゆるところに生じますが、発育スピードは比較的遅めです。痛みやかゆみといった症状は起こりませんが、放置すると少しずつ大きくなっていきます。
自然治癒できない疾患ですので、根治させるには外科手術を受ける必要があります。
色や特徴
脂肪腫は薄い膜に覆われていて、コブ自体は皮下脂肪と同じような黄色い見た目をしています。
背中や肩周り、お尻の周りの皮下組織によく現れます。
皮膚と筋肉の間にできるケースが多いのですが、他にも、筋肉の中や、筋肉と筋肉との間、骨の表面、骨の中に発生するケースもあります。通常、大きさはあまり変わりませんが、5cm以上まで大きくなるケースも多々あります。
脂肪腫は薄い膜に覆われていて、コブ自体は皮下脂肪と同じような黄色い見た目をしています。 背中や肩周り、お尻の周りの皮下組織によく現れます。 皮膚と筋肉の間にできるケースが多いのですが、他にも、筋肉の中や、筋肉と筋肉との間、骨の表面、骨の中に発生するケースもあります。通常、大きさはあまり変わりませんが、5cm以上まで大きくなるケースも多々あります。
石灰化上皮腫(毛母腫)
皮膚の一部に石灰化が起こり、石のような塊ができる良性腫瘍です。 基本的に痛みは起こりませんが、押すと痛くなったり、かゆくなったりすることもあります。皮膚に穴が開いてしまうケースもあるため、手術を受けてきちんと切除することをお勧めします。
色や特徴
大きさは0.5~5cm程度で、周囲の皮膚と同じ色をしています。皮膚が薄い部分に発生した場合は、下の腫瘍が透けて見えて黄白色に見えたり黒っぽく見えたりします。
ほくろ
ほくろは誰にでもある良性腫瘍ですが、悪性の皮膚がんとの見分けは非常に難しいとされています。悪性が疑われる場合、リスクが高い場合は、手術で切除する必要があります。
色や特徴
平らなものや盛り上がっているもの、ザラザラしたものまで、多種多様です。色は肌色や褐色、黒色、黄色、褐色、青灰色などがあります。
その他
イボ
「イボ」は、皮膚から盛り上がっている小さなおできのことです。炎症や日常生活に支障をきたしているイボがありましたら、大きくなる前に医師へ相談しましょう。
外骨腫
骨腫瘍のなかで一番多いとされている良性腫瘍です。痛みはありません。 骨に生じる腫瘍ですが、局所麻酔で切除することができます。
ガングリオン
中にゼリー状の物質が詰まっている腫瘤です。滑液(骨と骨を繋ぐ関節包の中にあります)が、何らかの理由によって外へ漏れ出てしまうことで発症します。
手の関節に発生することが多いのですが、指の付け根の腱鞘などに生じるケースもあります。
神経線維腫
柔らかくて、少し赤い良性の腫瘍です。大きさは様々で、単発性のものと多発性のものに分けられます。多発性の場合はフォン・レックリングハウゼン病の可能性が考えられます。
神経鞘腫
末梢神経のシュワン細胞から生じる良性腫瘍です。皮下などの軟部組織に生じますが、脳や脊髄、消化管などの部位にも発生します。皮下にできると圧迫した時、痛みを現れるようになります。
脂腺母斑
末梢神経の構成細胞である、シュワン細胞から生じる良性腫瘍です。生まれついた時からできる黄色のアザで、頭部にできやすい傾向があります。
表皮母斑
出生時または幼少時から見られる、表皮の過形成によるアザです。 新生児の1000人に約1人の確率で発生すると言われていますが、原因は未だによく分かってません。
良性と悪性の
できもの(おでき)
の見分け方
ポイント1. できものの硬さをチェック
悪性のがんでしたら、硬くてデコボコしていることが多いです。さらに、がん物質が周りの組織とくっついていることによって、「押しても動かない」という特徴も見られます。
良性腫瘍は柔らかめで、なだらかに丸みを帯びています。腫瘍を押してみると、コリコリと動くのが確認できます。
ポイント2. 表面の状態をチェック
「出血する」「カサブタがある」「ジクジクしている」「周囲との境界がぼやけている」などの特徴がある場合は、悪性が疑われます。なお、これらの特徴がなくても、悪性のケースはあります。
自力で悪性か良性かを見分けるのは難しい
できものができたからという理由で受診される方は非常に少ないです。しかし、自力で良性か、悪性かを見分けるのは非常に難しいので、必ず病院で診てもらうようにしましょう。
自己判断せず
クリニックを
受診しましょう!
例えば、粉瘤を例に挙げて説明します。粉瘤の多くは良性腫瘍ですが、ごく稀に、悪性腫瘍化してしまうこともあります。安易な自己判断で決めつけず、きちんと受診して確認してもらうのが良いでしょう。